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▽ 相場と政府に「待ってもらえなかった」-日銀緩和策、市場に無力感も<Bloomberg 日本語版>
8月30日(ブルームバーグ):日本銀行の追加金融緩和に対し、市場関係者は円高を抑える効果は限定的だと見ている。米景気の減速を受けた日米金利差の縮小や米連邦準備制度理事会(FRB)による金融緩和観測が円高・ドル安の主因であるため、政府・日銀による政策対応で為替相場の基調を変えるのは難しいとの見方が広がっている。 日銀は30日、臨時の金融政策決定会合を開き、政策金利と同じ0.1%で3カ月物資金を20兆円供給する「新型オペ」を30兆円に拡充し、うち10兆円の供給期間を6カ月に延ばす追加金融緩和策を決定した。 三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは「米景気の好転が見込めないため、日銀が動いても円高・ドル安の流れは変えられない」ものの「無策なら円高が加速しかねない。相場に待ってもらえなかった」と分析。白川方明総裁が米国出張からの帰国を1日早め、月曜日午前に臨時会合を開いたのは、追加経済対策の基本方針決定を30日に前倒しした「政府にスケジュールを決められてしまった印象が拭えない」と指摘。「追加緩和を取り巻く状況には無力感すら漂う」と述べた。 米国内総生産(GDP)の実質成長率は27日、速報値の前期比年率2.4%から1.6%に下方修正された。市場関係者は9月1日発表のISM製造業景況指数が前月の55.5から52.8に低下し、3日の米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月より10万人減ると予想している。 FRBのバーナンキ議長は27日、米ワイオミング州ジャクソンホールで、最近1年間の経済成長は「弱過ぎ」、失業率は「高過ぎる」と懸念。「必要と判断されれば、非伝統的手段を通じて追加の金融緩和策を講じる用意がある」と語った。 乾いたぞうきんを絞る 30日の円・ドル相場は日銀の臨時会合開催を受けて一時、11日ぶりに1ドル=85円91銭まで下落したが、追加緩和策が伝わると85円40銭前後に反発。日経平均株価も10日ぶりに9200円台を回復した後、9120円前後に下落した。長期金利の指標とされる新発10年物国債利回りは、民主党代表選を巡る財政再建路線の後退懸念もあり、一時1.105%に上昇(価格は下落)したが、円高・株安を受け1.04%台に低下した。 JPモルガン・チェース銀行の佐々木融債券為替調査部長、棚瀬順哉チーフFXストラテジストらは、今回の追加金融緩和策は「乾いたぞうきんを絞る」ように、為替相場への持続的な影響は「極めて限定的だろう」との見方だ。 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジストやRBS証券の西岡純子チーフエコノミスト、バークレイズ銀行の山本雅文チーフFXストラテジスト、みずほ証券の野地慎シニアマーケットアナリストは、日銀の追加緩和策の効果は限られるとみている。 円高進行と菅・白川会談 円・ドル相場は11日に一時、84円73銭に上昇。中東ドバイ発の金融システム不安を背景に昨年11月27日につけた84円83銭を約8カ月半ぶりに更新し、1995年7月以来の高値を記録した。16日発表された4-6月期の実質成長率は前期比年率0.4%と、1-3月期の4.4%から大幅に減速。日経英語ニュースは17日、菅直人首相が日銀の白川総裁と23日に会談すると報じた。 ところが、日銀による追加金融緩和の観測が高まって円高が一服すると、同会談は23日、電話での意見交換にとどまった。翌24日には円高が再燃し、95年6月以来となる83円60銭に上昇。同年4月に記録した戦後最高値79円75銭まで4円弱に迫った。 菅首相は27日、円売り介入の可能性を示唆するとともに、白川総裁の帰国後「出来るだけ早い機会にお会いしたい。機動的な金融政策実施を期待したい」と述べた。共同通信(英語版)は30日午後、菅首相と白川総裁が同日午後5時前に会談する見通しだと伝えた。 クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは、米国は「バランスシート調整による需要の長期低迷とデフレ経済への突入」という構造的なリスクを抱えていると分析。外需への逆風が長引く恐れがある中で「日銀に量的緩和を拡大させて大幅な円高さえ回避すれば何とかなる、という政府の発想に問題がある」と主張する。 三井住友銀の宇野氏は、円高・ドル安の進行ペースが緩やかにとどまる限り、政府は「水準感による円売り介入は実施しないだろう」と予想する。 ※このブログはトラックバック承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
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