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[東京 26日 ロイター] 証券取引等監視委員会は近く、三井住友信託銀行に対して、合併前の旧中央三井アセット信託銀行が金融商品取引法違反(インサイダー取引)をしたとして課徴金納付命令を出すよう金融庁に勧告することがわかった。複数の関係筋が25日夜、明らかにした。
旧中央三井アセット信託銀は、3月にもインサイダー取引で課徴金勧告を受けており2度目となる。 関係筋によると、旧中央三井アセット信託銀行が、みずほフィナンシャルグループ(8411.T: 株価, ニュース, レポート)の大型公募増資の公表前情報に基づいて、同社株式を売却した。未公開情報を伝達したのは、前回と同じく野村証券。監視委は4月以降、野村社内の情報管理体制を点検する特別検査に入っており、検査を踏まえた上で、野村に対する行政処分の是非を判断する。 課徴金の額は、前回の5万円と同様、少額になる見通し。金額の算出は、ファンドの預かり資産をもとに計算される運用報酬のうち、インサイダー取引による儲けとその運用報酬の規模に基づくためだ。運用担当者は個人の資金を元手に利益を上げたわけではないため、処分勧告は会社に対して出される。 前回の処分勧告を受けて旧中央三井アセット信託は、再発防止策と法令順守体制を大幅に強化する方針を示しており、特別調査委員会を立ち上げて原因の調査を進めていたが、5月中旬としていた調査結果の公表予定を25日、6月中に延期すると発表していた。 2012年 05月 26日 04:23 JST
半導体大手のルネサスエレクトロニクスが、約4万2000人の社員の約15%にあたる6000人規模の人員を削減する方向で最終調整に入った。
リストラ策と同時に、500億円規模の第三者割当増資を実施し、財務基盤を強化する。米社による買収が内定したエルピーダメモリに続き、ルネサスも大規模な人員削減に追い込まれたことで、日本の半導体産業の苦境が改めて浮き彫りになった。 6000人規模の削減は新規採用の抑制と退職者の増加による自然減、希望退職者の募集などを組み合わせて実施する見込みだ。国内生産拠点の統廃合や売却などの合理化策の検討も進めるとみられる。 ルネサスの2012年3月期連結決算は、システムLSI(大規模集積回路)部門の不振が響き、2期連続で税引き後利益が赤字となるなど、経営不振が続いている。大規模な人員削減によるリストラを加速させると同時に、増資により財務面でもテコ入れを図り、経営の立て直しを急ぐ。 (2012年5月22日03時00分 読売新聞)
12年3月期
2012/5/15 21:52 大手銀行の収益が拡大基調を示している。15日に出そろった五大グループの2012年3月期の連結最終利益は合計で前の期に比べ約36%増の約2兆4000億円となり、5年ぶりの高水準となった。ただ、国債売買益に頼る傾向が目立ち、企業や個人への融資で稼ぐ本業の成長力はなお弱い。 3メガ銀に三井住友トラスト・ホールディングス、りそなホールディングスを加えた五大銀グループの最終利益が2兆円を超すのは07年3月期以来5年ぶり。三菱UFJフィナンシャル・グループの連結最終利益は9813億円に達し、米欧の有力な金融機関に匹敵する水準に回復した。 銀行の本業のもうけを示す実質業務純益は五大グループ合計で約3兆2000億円となり、0.4%減った不良債権の処理損失も大幅に縮小し、利益を押し上げた。 一方、13年3月期はみずほフィナンシャルグループを除く4グループが減益を予想する。五大グループの連結最終利益は合計で約1兆9100億円となり、前期比約20%減る見込みだ。
5月8日(ブルームバーグ):トヨタ自動車はハイブリッド車「プリウス」の生産を拡大する方針だ。米国での年間販売目標を22万台余りとしているが、それを上回るペースで需要が高まっていることが背景。トヨタはハイブリッド車の販売で世界最大。
米国トヨタ自動車販売のボブ・カーター副社長は7日、ロサンゼルスでのインタビューで、「目標を大きく上回るペースだ」と説明。「追加生産を指示した。生産は拡大できると確信している。ただ需要は世界的に強く、特に日本で著しい」と続けた。 リフトバックやVワゴン、Cサブコンパクト、プラグインを含むプリウスの販売台数は、年初から4月までに8万6027台と、前年同期比で56%増えた。ブルームバーグが算出したところによれば、このペースが続いたとすると年間販売台数は25万台を超える。 カーター副社長によれば、4月に米国で購入された全ハイブリッド車のうち、55%がプリウスだった。 このほか、日本でもエコカー補助金が奏功しプリウスの需要が大きく伸びていると説明。その影響で、米国部門で希望するだけのプリウスを入手できない可能性がある。 カーター副社長は「そうした数字について予測するのは時期尚早だ」とし、「現時点で生産が確認されているわけではない」と続けた。 日本自動車販売協会連合会の統計によると、プリウスの国内販売台数は年初から4月までに21万5458台と、前年同期の5万7399台から増加した。 更新日時: 2012/05/09 01:33 JST
5月8日(ブルームバーグ):野村ホールディングスは米州投資銀行部門の上級管理職の人数をほぼ3倍に拡大する計画だ。同部門責任者のジェームズ・デノート氏がブルームバーグのインタビューで語った。
デノート氏によると、同部門は3-5年以内にマネジングディレクターおよびエグゼクティブディレクターを現在の38人から100人程度に増やす見通しだ。 同氏は野村が「世界でトップ10に入り、アジアに主軸を置く数少ない金融機関の一つになることを目指す」と語り、「良好で質の高い手数料が集まる事業セクターに特化するだろう」と続けた。 2009年3月に900人だった野村の米従業員数は今年2350人に増えた。デノート氏によると、野村は上級幹部を増員し、米州からの投資銀行収入で10億ドルを目指している。実現した場合、手数料収入で上位10行に入る可能があるという。一方、バンク・オブ・アメリカ(BOA)や仏ソシエテ・ジェネラルといった競合企業は合併・買収(M&A)などの仲介事業やトレーディングの停滞を背景に人員を削減している。 デノート氏は「今後数年間は米投資銀行業務にとっては非常に有利な市場環境になるとみている」と分析。「業績の良好な企業は合併や部門統合、利益率の改善を検討し始めている。一方、まだバランスシート問題に苦慮している企業は、資金調達や借り換えに積極的だ」と述べた。 更新日時: 2012/05/09 04:38 JST
[東京 8日 ロイター] 東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)は8日、2013年3月期の連結営業利益(米国会計基準)が前期比45.2%増の3000億円になる見通しと発表した。火力・水力発電所向け設備など社会インフラ事業の好調や、半導体など電子デバイス事業の改善が寄与する。
会社側の営業利益予想は、トムソン・ロイター・エスティメーツによる主要アナリスト15人の過去90日間における予測平均値2770億円を上回っている。今期は1990年3月期に記録したこれまでの最高益(3159億円)に迫る水準を目指す。 営業利益予想を事業別でみると、電子デバイス事業が同32%増の1000億円。個別用途に使われる半導体のディスクリートでは、前期の1けたの黒字から今期は「100億円台半ばまで回復させたい」(久保誠専務)考え。昨年11月に発表した6カ所ある国内製造拠点を上期中に3カ所に集約する再編が奏功、スマートフォン(多機能携帯電話=スマホ)向けなどの需要回復も見込む。同じくスマホ向け需要が旺盛なNAND型フラッシュメモリーの利益率は10%台半ばを目指す。HDD(ハードディスク駆動装置)では法人向けデーターセンター需要を見込む。 社会インフラ事業は同22%増の1650億円の営業利益を予想する。主力の火力・水力発電システムや送配電網向け設備の好調が続く。昨年7月に買収したスイスの電力計大手ランディス・ギアをけん引役としたスマートグリッド(次世代送電網)関連、東日本大震災後の本格的な復興需要も取り込む。デジタルプロダクツ事業は、前期はテレビの不振で282億円の赤字だったが、今期は150億円の黒字転換を図る。 今期の売上高予想は同4.9%増の6兆4000億円。中小型液晶事業のジャパンディスプレイへの譲渡に伴う減収があるものの、買収したランディス・ギアが通年で貢献するほか、子会社の東芝テック(6588.T: 株価, ニュース, レポート)を通じて米IBM(IBM.N: 株価, 企業情報, レポート)から取得するPOS(販売時点情報管理)端末事業も増収に寄与する。 今期の純利益予想は同83.2%増の1350億円で、11年3月期に計上した過去最高益(1378億円)が視野に入る水準を見込む。前期に響いた法人税改正に伴う繰り延べ税金資産の取り崩しがなくなることも大幅に利益を押し上げる。 今期予想の前提為替レートは1ドル=76円(前期は79円)、1ユーロ=102円(同110円)に設定した。久保専務によると、ドル、ユーロ合わせて1円動くと今期の営業利益に50億円の影響が出るという。 <前期はテレビ事業で500億円近い赤字に> 12年3月期の営業利益は前の期に比べ14.0%減の2066億円だった。液晶テレビの価格下落や需要減が響いたほか、円高やタイ洪水の影響も利益を押し下げた。ただ会社計画としていた2000億円、アナリスト16人の予測平均値2018億円は上回った。 前期の売上高は同4.7%減の6兆1002億円だった。法人税改正に伴う繰り延べ税金資産の取り崩しも響き、純利益は46.5%減の737億円と前の期からほぼ半減した。 前期のテレビ事業について、久保専務は「500億円近い赤字だった」と説明した。国内市場で想定以上に販売台数が減少したほか、競争激化による価格下落が響いた。新興国市場での販売は計画通りに伸びたが、全体の赤字を消すほどの貢献はなかったという。今期は、国内ではコスト削減を進め、新興国で市場のニーズに合った製品投入などで収益改善を図るが、「上期は2ケタ程度の赤字、下期はブレークイーブンを想定し、通年でも若干赤字が残る」(久保専務)見通しだ。前期のテレビ販売実績は1400万台半ばとなり、計画の1500万台に届かなかった。今期は新興国での販売を一段と強化し、約1600万台を見込んでいる。 半導体事業の営業利益は同28%減の473億円だった。NAND型フラッシュメモリーはスマートフォン向けなど需要は旺盛だったが、円高の影響で減収。一定の利益水準を確保したものの、各社の供給量も多く、価格下落の圧力も大きく減益となった。 久保専務によると、1―3月期のNAND型フラッシュメモリーの利益率は2けたを維持したが、11年10―12月期よりも若干低下、同年4─9月期よりも低下したと説明した。今期も10%台半ばを目指すが、「大きな利益改善を見込むのはリスクがある」としている。 (ロイターニュース 白木真紀;編集 佐々木美和) 2012年 05月 8日 22:10 JST
東京電力は7日、西沢俊夫社長(61)の後任に広瀬直己常務(59)を昇格させる方向で最終調整に入った。8日の臨時取締役会で正式決定する。政府は先月、東電の次期会長に原子力損害賠償支援機構の下河辺和彦運営委員長を内定した。1兆円の公的資本を注入して実質国有化する新生東電改革の司令塔となる首脳の顔ぶれが固まった。
広瀬氏は一橋大卒業後、76年に東電に入社。3年の企画畑以外の大半は営業部門で顧客に対応する職場だった。10年6月に常務に昇進し、昨年3月の東日本大震災による福島第1原発事故を受け、福島原子力被災者支援対策本部副本部長として被災者への賠償や広報などの実務を担ってきた。同社のトップとして異例の抜てきとなる。 西沢氏の後任をめぐっては、会長に就任する下河辺氏が4月19日、西沢社長の退任を求め、内部から後任を選ぶ考えを明言した。社内では勝俣恒久会長(72)らが西沢社長の続投を模索する動きもあったが、結果的に政府が封じた形だ。下河辺氏も電力会社の経営経験はないことから、実務を指揮できる広瀬氏に落ち着いた。 毎日新聞 2012年05月07日 21時52分(最終更新 05月08日 02時20分)
スキャンダルに見舞われた日本の光学機器メーカー、オリンパスの臨時株主総会について記事を書いた数日後、筆者は同社の旗艦商品の1つと奮闘する羽目になった。胃カメラだ。
■臨時総会で醜聞に終止符打てず オリンパスとの最初の接触の方が快適だった。同社は臨時株主総会で、報道陣を株主とは別の部屋に閉じ込めたが、議事進行を映す大型テレビや無料のお茶が用意されていた。ただ、チューブにつながったカメラを食道に押し込まれた2番目の体験もまた、示唆に富んでいた。 オリンパスはこうした内視鏡の市場で約70%の世界シェアを握り、筆者の検査に使われた「GIF-XQ260」のようなモデルを誇りにしている。内視鏡の直径は1センチ足らずで、高画質の映像を撮影する。検査の後にその映像を使って、最近の胃痛は深刻な病気の兆候ではないと、医師は請け合ってくれた。 個人的に製品を試してみて改めて、問題を内部告発した英国人最高経営責任者(CEO)を昨年に解任して以来オリンパスを飲み込んだ17億ドルの会計スキャンダルが残念に思われた。その後、経営幹部による巨額の損失隠しが明るみに出て、同社の医療機器事業(もっと有名なカメラ事業よりもはるかに好業績の事業)の強さはかすんでしまった。 先週の臨時株主総会はスキャンダルに終止符を打つチャンスだったが、投資家やファンにとって残念なことに、オリンパスと同社の大株主はおおむね、このチャンスを無駄にしてしまった。 ■新経営陣に元CEOや投資家が懸念 確かにオリンパスは、損失隠しに使われた一連の取引にマイケル・ウッドフォード氏が疑問を提起した後に同氏をCEO職から解任した取締役会をそっくり入れ替えた。だが、2人の取締役を執行役員として再任したことで、変革のメッセージは鈍った。臨時株主総会の会場にいたウッドフォード氏はこの判断を、恥ずべきことだと非難した。 解任されたウッドフォード氏は、自身の復帰計画を日本の機関投資家に一蹴された後、オリンパスを激しく批判するようになった。自身の体験をつづった本が既に日本語で出版され、もう1冊、英語の本の出版準備が進んでいる。 ウッドフォード氏の怒りの矛先の1つは、オリンパスの新任候補者を選んだのが、同氏解任に賛成した前取締役会の社外取締役2人が率いる委員会だった事実だ。その1人である林田康男氏が、日本や外国のメディアに対し、取締役会における自分の役割は主に医療問題について助言することで、「商業の問題はあまり理解していなかった」と語ったとされる医師であることも好ましくなかった。 不満を抱いているのは、ウッドフォード氏だけではない。先週の総会会場の廊下では、複数の個人投資家が、木本泰行氏を新会長に選任した人事に対する懸念を口にしていた。木本氏はオリンパスのメーンバンクである三井住友銀行の元専務で、一部の人は同氏が金融機関の利害に過度に共感するのではないかと心配している。 ■いまだ明かされない真相 もっと大きな問題もある。オリンパスのスキャンダルは一般に、コーポレートガバナンス(企業統治)に対する日本の意志を試す試金石と見られている。野田佳彦首相は昨年のインタビューで、オリンパスが損失隠しの背後の「事実関係を完全に明らかにする」ことを望んでいると述べていた。 だが、真相解明のためにオリンパスが設置した委員会は、「経営の中心部が腐っていた」と語り、同社を激しく批判したものの、もともとの損失や、長年にわたる損失隠しで誰が利益を得たのかについて多くの疑問を残した。 捜査の結果、問題はいくらか明らかになるはずだが、日本の当局は急いでいないようだ。当局が最初の(テレビ中継された)強制捜査に踏み切ったのはスキャンダルが勃発した2カ月後で、スキャンダルの中心人物である経営幹部らが逮捕されるまで、さらに2カ月近くかかった。ウッドフォード氏は、昨年の解任後に東京の検察と警察を訪れた時、担当者の真剣さに感銘を受けた。だが、それ以来、当局からは何の連絡もないと同氏は言う。 ■スキャンダル断ち切り事業に集中を 弁護士でコーポレートガバナンスの専門家である久保利英明氏は、オリンパス自身が投資家の信頼に値する会社になったことを示す十分な対策を取っていないと指摘する。 「オリンパスは腹を割っていないし、再生手術をしていない。問題がどこにあるのかも示していない。そして、実態をさらけ出さなければ、会社は変わらない」と久保利氏は言う。 そうなったら残念だ。オリンパスが本当にこのスキャンダルを過去のものにできたら、日本株式会社の評判は大いに高まるはずだ。経営陣も、もっと自由に医療機器事業を発展させ、あまり振るわない事業を立て直したり手放したりする方法を見つけられるだろう。 先月の新製品発表には可能性が感じられた。新製品の1つは、筆者の食道をのぞき込んだものと比べて直径が半分の胃カメラだった。オリンパスを存続させ、適切に育てれば同社を羽ばたかせるのは、こうした製品だ。筆者が新製品をすぐに試したいと思っているわけではないが。 By Mure Dickie (翻訳協力 JBpress) 2012/4/26 7:00日本経済新聞 電子版 (2012年4月25日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
ヤフーは24日、6月21日に開く定時株主総会で新任する取締役人事を発表した。5人の取締役のうち、親会社のソフトバンク出身者が従来の1人から3人に増え、ソフトバンク色が一段と強まる。第2位株主の米ヤフーも取締役1人を送り込むが、米ヤフーが持つ日本のヤフー株売却交渉は足踏み状態。ソフトバンクと二人三脚でスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)事業を強化し、「脱パソコン」に向けた構造改革を加速する。
新体制は現任の孫正義会長(ソフトバンク社長)に加え、宮内謙氏(ソフトバンク取締役)と今井康之氏(ソフトバンクテレコム取締役)を取締役に迎え入れる。現体制では過半の3人を占めるヤフー出身の取締役が新体制は社長就任予定の宮坂学氏のみになる。 新しい布陣について、宮坂氏は「新生ヤフーはパソコンよりスマホを優先する。スマホに強いソフトバンクから役員を迎え、営業力の強化に取り組む」と説明した。 一方、米ヤフーからはティモシー・モース最高財務責任者(CFO)が取締役に就く。米ヤフーが34.8%を持つヤフー株売却問題は「条件の折り合いがつかず、現状ではいったん交渉が止まっている」(ヤフーの大矢俊樹CFO)という。 2012/4/24 20:09
[東京 24日 ロイター] 三菱東京UFJ銀行の市場部門を統括している鈴木人司専務は、ロイターとのインタビューで、今後3年間で、国債ディーリング益に依存していた市場部門の収益構造を大きく転換し、海外企業に対するデリバディブ(金融派生商品)販売などの対顧客向けビジネスを強化する方針を表明した。
今年度からスタートする中期経営計画の柱として、市場部門が管轄する海外拠点の拡充を進める。現在は、国債売買などの自己勘定部門の収益が市場部門の75%を占めるが、3年後には顧客に市場性商品を販売するセールス・アンド・トレーディング部門の比率を50%に引き上げたい考えだ。鈴木専務は「(セールス・アンド・トレーディング部門を)本気でやらなければ市場部門の将来はない」と強調した。 邦銀の市場部門は、預金を原資として日本国債や米国債などに投資し、運用収益を得る自己勘定部門と、顧客企業に金利や為替などの価格変動リスクを回避するデリバティブを売り、そのリスクを市場で売り買いするセールス・アンド・トレーディング部門の二つの柱で成り立っている。邦銀は預金が貸出金を大きく上回る預金超過状態が続いており、運用手段として日本国債(JGB)のディーリング益への依存を深めてきた。 インタビューの主な内容は以下の通り。 ――なぜ今、セールス・アンド・トレーディング(S&T)業務を強化するのか。 「今は、顧客のニーズが変化して、複雑な市場性商品は求められなくなっている。しかし、これまで欧米の金融機関は高度な金融技術を駆使した市場性商品を売って高い収益を得てきた。その分、人件費やインフラなどが高コスト構造になっている現実がある。今後、プレーンな商品やビジネスが主流になれば、彼らはコスト的に耐えられない。われわれは、そこで競争力を発揮できると考えている。企業が長い期間の為替デリバティブを金融機関と契約すると、相手の金融機関のクレジットリスクを負うことになる。欧米大企業は、欧米の金融機関に与信枠を持っているが、それが欧州危機に直面して非常に厳しくなっている。非日系の大企業からもそうした取引をやりたいという話も増えている。この世界で欧米列強に対して戦いを挑みたい」 ――脱JGB依存という側面はあるのか。 「それはある。本当は、自己勘定部門の収益を維持しつつ進めたい。しかし、昨年も債券の売買益を大きく出したが、言ってみればあまり健全性の高くない収益で、それは落としていく。S&Tを本気でやっていかなければ市場部門の長期的な未来はない。中期経営計画の終わる3年後には、市場部門の収益割合は(自己勘定部門とS&T部門とで)1対1の割合になることを目指す。現在は自己勘定が75%、S&Tが25%というイメージだ。粗利ベースで言うと、S&Tは現在2000億円だが3年後には2700億円に増やし、自己勘定は2500億円程度になる見通しだ」 ――収益力の向上につながるか。 「今でもS&Tはやっているが、あえて言えば『そこそこでいいや』という面もあった。今後、伸長を期待できる海外でビジネス展開しようとすれば、必然的にこういう世界で勝負せざるを得ない。他のメガバンクも必ずこの分野に出てくると思うし、一歩前に出て走っていこうと考えている」 「すでに、われわれの海外貸出の半分は非日系企業だ。これまでは海外も貸出中心にやっていたが、今後はトランザクション(決済関連)バンキングと、S&Tを柱に加える。こうした業務の方が相対的にリターン・オン・リスクアセット(RORA)が高い。トランザクションバンキングだと、さらにリスクアセットを使わないで済む。貸出だけでは資本効率に限界があるので、こういう分野を加えることで高いリターンを上げていくことができる」 ――具体的な体制整備はどう進めるのか。 「現在、ロンドンやニューヨークなどに市場部門の直轄拠点があるが、今後は国際部門との共管も含めて中国やタイ、インドなどにも拡充し、世界10拠点に増やす。今はそれ以外の拠点では自らポジションを取れず、価格競争力がない。マーケットメイクできる拠点が拡充できれば、その場でいいプライスを出すことができる。人員も積極的に採用していく」 (ロイターニュース 布施太郎 浦中大我 編集:内田慎一) 2012年 04月 24日 00:33 JST < 前のページ次のページ >
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